パリの今年の春は、天候不順が続いています。
5月に入ってからも、地方では降雪がありました。
例年なら、長い冬の間にたるんだ体を夏に向けて少しでも引き締めるために、そろそろプ-ルに行きたいところですが、こう寒くては、風邪をひいてしまいそうです。
今朝もコートを着て出勤しました。
冬の間、体を温めるために愛飲しているハーブティーを、毎日欠かせません。
エステティック専門学校の学生の頃、国家試験が数か月後に迫ったある日の授業で、
「試験当日、緊張のせいで失敗しないために、あがり症の人は、今のうちから不安を鎮める薬を何種類か試しておくようにしてください。
直前になってからいきなり使用すると、効き目が強すぎたり、眠くなったりするので、前もって調整しておくようにしてください。
ストレスに負けて、実力が発揮できなくなるようなことがないように、しっかり準備しておいてください」
と担任の先生から、精神安定剤を試すようにアドバイスがありました。
試験のために精神安定剤を使用するなんて……。
フランス人は、よほどストレスに弱いのか?
それとも、よほど薬が好きなのか?
2000年当時は、フランス人一人当たりの薬の消費量は、ヨーロッパ1位でした
その後、他国の消費量が増大したため、医薬品全般では、平均並みに落ち着いたようですが、睡眠薬、抗不安薬や抗うつ剤の部類は、引き続きヨーロッパトップクラスの消費量です。
フランス女性、4人に1人は服用しています。
パリにはいたるところに薬局があり、いつも列ができていることから、薬好きぶりはよくわかります。
フランスの薬は、恐ろしいくらいすぐに痛みが消え、とても効果があります。
ぎっくり腰になった時も、帯状疱疹になった時も、痛みはすぐに楽になりました。
でも、私の体には作用が強すぎるので困ってしまいます。
胃の調子が悪くなったり、アレルギー症状が出たりと、結局体調不良は長引いてしまいます。
症状の改善には効果的!
でも、健康にはよくなさそう! なのです。
できるだけ病気にかからないのが一番ですよね。
パリジェンヌも私と同様の考えなのか、昔ながらの体にやさしい植物療法も根強く支持されています。
私がハーブティ-を購入している薬草販売店は、朝出勤前に立ち寄っても、お昼休みに行っても、小さな店内はいつもお客さんでいっぱいです。
天井まで壁一面の棚は、ハーブや精油で埋め尽くされています。
現在の私のお気に入りは、二種類あります。
まずは、体の冷えを防ぎ、免疫力を高める効果のある
Tisane Antifrisson 寒さ予防のハーブティ です。
ロ-リエ、ユ-カリ、ジャコウソウの葉、
シナモンとムラサキバレンギクの樹皮、
クロ-ブ、そしてヨ-ロッパアカマツの芽が混合されています。
冷え性を改善し、免疫力を高め、風邪などの感染症にかかりにくい丈夫な体を作るとともに、殺菌効果もあり、ウイルスや細菌が体内に侵入するのを防いで病を予防する効果があります。
煎じたハーブの見た目は、少々ワイルドですが、素朴な薬草の香りが、いかにも体によさそうで気に入っています。
漢方薬のような味なので、説明書には、蜂蜜を入れて飲むように推奨されていますが、私はそのままで平気です。
このちょっと苦い味がくせになります。
もう一つは、Tisane du Soir 夜用ハーブティ- です。
夜帰宅後は、日本茶をいただきたいところですが、年齢とともに、食後にお茶やコーヒ-を飲むと眠れなくなってきましたので、カフェインは控えるようにしています。
夜用ハーブティには、
ボダイジュの苞葉、
橙オレンヂ、ラヴェンダ-、そして夏白菊の花、
メリッサの葉がブレンドされています。
こちらの茶葉は、黄色や黄緑色で、優しい香りがします。
爽やかなすっきりした飲み心地で、就寝前にほっと一息つくことができます。
不安やストレスを緩和するリラックス効果や、心を落ち着かせる鎮静作用と、筋肉の緊張や疲れを和らげる作用で、安眠へと導いてくれます。
50代にもなると、体力の衰えを感じ始めますので、しっかりと睡眠をとりたいですね。
それにも関わらず、夜中にトイレに行くために目が覚めて、思うように眠れないというお客様のお声をよく耳にします。
皆さんもそんなお悩みはありませんか?
睡眠不足は美容の大敵ですよね。
そこで、夜中に目が覚めてしまったら、お肌に良いことに利用しませんか?
カサカサのお肌にもう一度クリ-ムを塗って、保湿をしてみてはいかがでしょうか?
これは、あるお客様が実践されていることです。
彼女は、夜中にアイクリ-ムを重ねづけして、顔の中でも肌が薄くて皺やたるみが出やすいデリケートな目元部分のケアを、入念にしていらっしゃいます。
私は、寝つきが悪く、睡眠不足になりがちです。
寝入ってしまえば夜中に目が覚めることはあまりありませんが、まれに目が覚めてしまった場合、再び寝付くことはできません。
そんな時には、私は、唇にワセリンを塗りなおしています。
就寝前に必ず塗っても、朝起きると唇はカサカサになっているのですから。
皆さんも、パリジェンヌのキレイのためのアイディアを見習ってみませんか?
Herboristerie du Palais Royal
11 rue des Petits Champs 75001 Paris