千代に八千代にパリジェンヌのように美しく

パリのエステシャンがあなたに伝えたい、年を重ねても美しいパリジェンヌのきれいの秘訣

フランス コロナウイルスとの戦争突入 マルセイユ石けんが国民を救う?!

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 (この記事は3月18日現在の状況です)

フランスでは、3月17日正午から15日間の外出制限措置が施行されました。

 

数日前、日本人の知人は、道端で

「ウイルス、出ていけ」

とののしられたとショックを受けていました。日本人も韓国人も中国人もすべて同様にみなしての罵倒でしょうが、これほど衛生観念が強く清潔な日本人をばい菌扱いするなんて、ひどい誤解ですよね。

 

パリでは、コロナウイルス感染は、アジアの問題との認識だったのです。

 

お隣のイタリアからは毎日毎日危機的状況が伝わり、先週からもうすでに外出が禁止されているのに、フランス政府はどうしてこんなに国民を油断させているのか?と気がかりでした。

フランス人もイタリア人同様に、挨拶にハグや頬にキスをするのが習慣、人によっては3回も4回もキスを繰り返しています。

明日は我が身と思わなかったのでしょうか?

平常時、フランスとイタリアは自由に行き来できるので、コロナウイルスの感染がフランス側でも蔓延するのは時間の問題だったのですが。

私の周囲のフランス人は、

「フランスの医療はイタリアよりも優れているから大丈夫」

と勝手な自信を持っています。

私のサロンのお客様の中にも

コロナウイルスなんかに負けないわ。どんな時でも私たちの自由な生活が制限されるなんて許さないわ」

エステ後、レストランで食事、ショッピングに出かけて行かれました。

「病気を恐れて外出を控えるなんて馬鹿げているわ」

とまで言い放たれました。

 

あの2015年11月のパリ同時多発テロ事件の後も

「テロリストなんかに屈したりしない!」

と、わざとカフェのテラスに陣取って挑発的な態度をとったり、

「文化を衰退させてはいけない」

とあえて劇場やコンサートに足を運んだ、パリジェンヌやパリジャンの勇気ある行動を思い出します。

 

私は危険が迫っているかもしれない時には外出を控えますが…。

 

以前のブログで取り上げていますが、例えガンで乳房を切除しても、治療の副作用で頭髪がすべて脱毛してしまっても、美しくあることを決してあきらめない、つねに前を向いてポジティブに生きるフランス人の精神力には常々感心させられます。

 

でも、コロナウイルスには用心するに越したことはないと思いますが。

もっと警戒しなくてもいいのかしら?と心配していたのは私だけではないはずです。

 

フランス政府は、国内にマスクのストックが少ないことから、医療関係者に行き渡るようにするため

「病人以外はマスクをする必要はありません」

消毒ジェルも品切れが続いているので、

「外出から戻ったら、石けんで手を洗うようにしてください」

マルセイユ石けんで手洗いをすれば十分感染を防ぐことはできます」

と毎日のようにテレビで情報を流しています。

 

予防策としては、保菌者からウイルスに感染しないために、他人と1m離れることを強調しています。

 

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スーパーマーケットでは、間隔を取って整列し、順番に一人ずつ買い物をしています。

 

 

普段は石けんで手を洗わないの?

フランス人は、トイレの後も手洗いしないのは有名な話。

体も毎日は洗わない人も珍しくありません。

 

新幹線のトイレに手洗い洗剤がきれていたり、水がチョロチョロとしか出ないなんてこともあるのです。

 

というわけで、私の行きつけのスーパーではトイレットペーパーやパスタの買い占めに加えて、石けんの棚がきれいに空になっていました。

 

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                                                                                                    Lesecho.fr

 

食料品は、国内自給率100%以上を誇っているので、数日後には売り場に補充されると思われますが、マスクやジェルは、国民全員には行き渡りそうにありません。

 

休校の決断

3月12日(木)夜、マクロン大統領が国民に向けてテレビ演説を行い、感染拡大を防止するため、幼稚園から大学まですべての学校を翌週から休校にすることを発表し、70歳以上の高齢者や持病のある人にできる限り自宅にとどまるように呼びかけました。

 

しかし、この時点でもまだ、なぜ感染の広がっている東部地域だけでなく全国的に休校にするのか? 納得できないフランス人もいました。

男女ともに生涯働くのが当り前のフランスでは、学校が突然休校になると、その間誰が子供の面倒を見るかが大問題になるので、

「なぜそこまでしなくてはいけないのか?」

困惑を隠しきれない、いえそれ以上、仕事への影響に怒りを隠し切れない人たちもいました。

 

ところが、その数日後の3月15日(日)の市町村議会統一選挙は、予定通り実施することが宣言されました。

 

さらに、3月14日(土)夜、フランス政府は、ウイルス感染拡大に伴い警戒レベル第3段階に引き上げを発表しました。それに伴い、同日0時以降、カフェもレストランも映画館も…生活に必要不可欠でない場所はすべて閉店させられることになりました。

 

しかしながら、民主主義の名目で、日曜日の選挙の投票は中止されませんでした。

 

外出はOK?

このちぐはぐな発表に、勘違いしたフランス人も多く、外出は自由との考えから、小春日和の陽射しの心地よい日曜日、レストランもカフェも閉店、映画もコンサートもすべて中止のフランスでは、皆がこぞって戸外に出かけ、公園やセーヌ川沿い、海岸では、友人同士や家族で日向ぼっこに興じ、大変な賑わいとなってしまいました。

日光浴がコロナウイルスの殺菌に役立つというデマも流れたようです。

 

長く暗い冬の終わりがやっと見えてきたこの時期、少々肌寒くても、太陽の陽射しには抗うことはできません。

それだけでなく、自分たちの外出の楽しみを奪われたフランス人の権力者への抵抗の表れでもあるでしょう。

 

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                                                                                                             Actu.fr

そんな状態を見過ごすわけにはいきません。

 

ウイルスを広めているのはあなたたち

政府は、「ウイルスはひとりでに拡散していくわけではありません。ウイルスを広めて回っているのはあなたたちなのです」と怒りをあらわにしました。

 

翌日3月16日(月)、再び、大統領のテレビ演説が予告されると、ついにイタリアのように外出禁止令が出されるとのうわさが広まりました。

 

私が水曜日に予約を入れていた医療センター内の歯科医の診察はキャンセルになりました。次は最短でも1か月後とのこと。理由を尋ねると、センター内の二つの階を占める歯科部門は明日からすべて救急病棟に変えられることになったとか。

 

パリの救急病棟責任者が、

「まだ病棟に余裕がありますからパニックにならなくても大丈夫です」

とテレビでパリジャンやパリジェンヌを安心させているのを耳にしたばかりなのに。

 

フランス国内で一番感染者が多い、東部アルザス地方の病院では、70歳以上の患者さんには(機器の不足のため)人工呼吸器は使用しないというニュースが流れ、

「70歳以上の方はコロナに感染して肺炎で入院したらもう病院から生きては出られない」とご家族は理解しなくてはいけませんと報道されました。

 

その上、職場の同僚からは、パリ警察署からの情報として

「明日夜から一切の外出は禁止。今後45日間とどまる住居を一か所に定め、明日中に移動すること」

というメッセージが送られてきました。

 

病院に勤める友人からは、

「もうこれ以上は患者さんを助けられない。もう限界」

という悲鳴のようなメッセージが。

何かとんでもない危機に直面していることを感じ背筋がぞっとました。

 

夕方、かかりつけ医師の診察に行きその話をすると、

「パリの病院は、今日の午後から外来はすべてキャンセルして緊急態勢に入りました」とのこと。

 

本当に45日間外出禁止になるかも?

外に出ると、パリから脱出するためにスーツケースやリュックを背負って、駅に向かっている人の姿が目につきます。

パリの狭いアパートに閉じ込められるよりは、地方の実家に身を寄せる方を選んだのでしょう。

海辺のヴァカンスハウスのレンタルも増加したそうです。

 

そして20時、いよいよ大統領の演説が始まりました。

「私たちは病気と闘っているのです」

コロナウイルスとの戦争なのです」

翌日12時以降は、少なくとも15日間、不要不急の外出禁止

人と人の接触を必要最低限にするために家族や友人同士で集まることも、公園に出かけることもすべて禁止。

食料品や医薬品の買い物や、通院、(テレワークが不可能な場合の)通勤以外は、自宅にとどまること。

例外的な外出の際には、内務省のサイトからプリントアウトした証明書を記入して携帯することが義務付けられました。

違反者は、初日は38€、翌日からは一気に値上がりして135€の罰金。45日以内に支払わない場合は、375€割増と厳しい罰則が科せられます。

 

でもここでもまた曖昧さは否めません。

私は、本日3月18日は自宅から一歩も外出しませんでしたが、明日は買い物に出るために、この証明書を用意しているところですが、

まず、氏名、生年月日、住所を記入します。

次に以下の例外的に認められている5項目の中から外出の理由を選択します。

1)自宅と職場間の移動(テレワークが不可能な場合)、もしくは変更不可能な出張

2)必要不可欠な買い物のため(食料品等)

3)健康上の理由 (通院等)

4)家族間で高齢者や弱者の援助や子供の世話等やむを得ない外出

5)自宅近くでの短時間の外出 (一人での運動、飼い犬等動物の散歩のため)

 

昨日の午後からフランスの街中で、警官がフランス人の行動を見張っていますが、今朝のパリのマルシェでは、生鮮食料品を買い求める人たちが多すぎて、1mずつの間隔を取ることは守られていませんでした。

 

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                                                                                                      europe1.fr

 

ジョギングやサイクリングを楽しむ人たちは、自宅から離れたところまで移動しすぎているという事で違反になります。今日のところは口頭での注意のみですが今後は罰金の対象になります。

目安は自宅から500mの範囲です。

自宅の周囲をぐるぐる回るしかありませんね。

 

ニース、コートダジュールの海岸沿いは、今日の午後も日曜日に引き続き散歩やジョギングを楽しむ人たちで賑わっていました。

今後は、海岸沿いは通行止めになるかもしれません。

 

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                                                                                                                             France3 Regions

 

これからの陽気が良くなる時期、仕事が休みになったフランス人を自宅に閉じ込めておくのは、かなり困難なようです。

 

現在、最も深刻な状態のフランス東部では、一人でも多くの命を救うために軍隊が野営病院の設置を急いでいます。

本日からは、コソボアフガニスタンの戦場で負傷者を救助するために出動した医療設備を備えた軍用機が、フランス東部の病院から南部の軍事病院へと重篤な患者を運搬し始めました。予断を許さない状態が続いています。

 

たとえ外出禁止令が施行されても、国民皆が行動を改めなければ今後もしばらくは感染が拡大するのは避けられないのではととても心配しています。

私は、できる限り外出を避けるようにします。

 

日本の皆さん、フランスやイタリアのようにならないように、これからもマスクの着用や手洗いをまめに行ってください。

 

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最後に、もし緊急時に避難することになった場合、何をもっていけばいいかと考えたところ、フランスにはマルセイユ石けんという万能品があることに気付きました。

手洗いだけでなく、顔も体も髪の毛も洗えます。オリーヴオイルがベースなのでお肌を乾燥させる心配もありません。さらに歯磨きにも使用できます。

マルセイユ石鹸には使用期限はありませんので、400gくらいのキューブを1個緊急時の防災用品に加えておけば、まさかの時には大変お役に立ちますよ。

 

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「こんな時、外国に住んでいるのを不安に感じない」といえば嘘になりますが、

昨年帰国した際に訪れた、京都大原三千院で体験した静謐なひと時を思い出し、緊急時だからこそ、私も日本人の一人として心の平静さを忘れず、この戦争を乗り切ろうと思います。

 

マルセイユ石けんにご興味をお持ちの方は、こちらもご覧いただければ幸いです。

 https://chiyomi-paris-beauty.hatenablog.jp/entry/2018/03/18/094747