千代に八千代にパリジェンヌのように美しく

パリのエステシャンがあなたに伝えたい、年を重ねても美しいパリジェンヌのきれいの秘訣

チョコレートは生活必需品です!

フランスでは、今年になってからも夜間外出禁止令が継続されコロナウイルス感染対策措置が取られてきました。それにもかかわらず英国変異種の猛威に直面し、急激な感染拡大に直面しているパリとその周辺のイールドフランス地方、フランス北部並びに南仏ニース周辺は3月20日よりついに3度目のロックダウンに突入しました。

その後、4月3日から全国に拡大されることになりました。

 

企業はテレワークの実施を、生活必需品を扱う小売店以外は閉店を余儀なくされています。

政府よりロックダウン中も営業が許可される業種のリストが発表されましたが、今回は新たにチョコレート専門店も追加されました。

 

 

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ビーントゥバー(カカオ豆の焙煎からチョコレートバーになるまでのすべての製造工程を自社で行うこと)による板チョコで有名な BONNAT の店内

チョコレートはお好きですか?

 

フランス人は、1年間に1人当たり7.3 kgのチョコレートを消費します。3人に1人は、毎日必ず食べているんですよ。

日本でもサロン ド ショコラが開催され、近年は世界中のチョコレートを購入できるようになりましたが、日本人1人当たりの年間消費量は1.2kgにとどまっています。

(チョコレート工業組合による2019年度の統計)

 

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チョコレートは体に悪い?

私は留学生の頃、慣れないフランスでの生活と思うようにフランス語が上達できないイライラした気持ちを抑えるために、SNICKERSやMILKAの板チョコを毎日持ち歩いて食べていました。ある時、鼻の頭に大きな赤いニキビができ、それをつぶすと白い脂がにゅるにゅるとでてくるという経験をして、チョコレートは肌に良くないとわかりました。その後は、できるだけ買わないように我慢していますが、心が弱ってくるとつい手が伸びてしまいます。

 

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 Lindtの復活祭用チョコレート

 

でも、疲れている時やイライラしている時にチョコレートを口に運ぶと心が落ち着きますよね。

そこで、最近は食べ過ぎを防ぐために、チョコレート専門店のビターを買うことにしています。ビターチョコレートは、カカオの含有量が多く、包みを開けるとまずカカオの甘美な香りで幸せな気分になります。

次にひとかけらを口に運ぶと、舌の上でゆっくりととろけるにつれて濃厚なカカオの味が口の中いっぱいに広がり、少量でも満足感が得られます。

高級店のチョコは高価なため、じっくりと味わって食べるように心がけるうちに食べ過ぎを防ぐことにもなります。

 

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Lindtのウサギ型チョコレート

 

チョコレートを食べると太る!と思っていませんか?

チョコレートの原料がカカオ豆なのは皆さんもご存知でしょう。

このカカオには、なんと赤ワインの数倍のポリフェノールが含まれています。

ポリフェノールと言えば、老化や生活習慣病の原因となる活性酸素の働きを抑制する抗酸化作用で知られています。肌のアンチエイジングにも役立つんですよ。

動脈硬化やがんの予防、血圧の低下、脳の活性化にも効果的です。

カカオに含まれる食物繊維やミネラルは便通の改善や肌荒れの防止にもなります。

美容にもいいということですね。

さらに、カカオの苦み成分のテオブロミンには、集中力や記憶力、やる気を高める作用に加えて、神経を落ち着かせる効果もあるのです。

また、カカオの栄養素のおよそ半分はカカオバターですが、これは体内に吸収されにくい良質な脂肪分ため、肥満の直接の原因にはなりません。

 

「チョコレートを食べると太る!」のは、カカオに加えられている砂糖やミルク、植物油脂やキャラメルの過剰摂取によるものなのです。

カカオ含有量の多いビターチョコレートは、健康に良い食べ物と言えますね。

良質の美味しいチョコレートを食べて健康維持に役立てましょう。

 

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 Patrick Rogerの店内

 

復活祭にチョコレートは欠かせません

では、これほどまでのチョコレートの健康への効用とフランス人の毎日の楽しみを奪うことを恐れて、政府はロックダウン中もチョコレートの販売を許可したのでしょうか?

真相は、4月4日の復活祭を祝うためなのです。

この祝祭日に、チョコレートは欠かせません。年間売り上げの約5%のチョコレートがこの日のために消費されるのでその経済効果を考慮しないわけにはいかないのです。

(ちなみにクリスマスは約10%です)

そこで、今回のロックダウン中に営業できる小売店リストにチョコレート専門店が加えられたというわけです。

 

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 Patrick Roger

 

なぜ、復活祭にはチョコレートが必需品なのか? 

復活祭は、十字架にかけられ処刑されたイエス・キリストが三日目に復活した奇跡を記念する、キリスト教徒にとって最も重要な行事です。

英語では「イースター」、フランス語では「パック」と呼ばれます。

 

毎年、春分の日以降の最初の満月の次の日曜日に定められている移動祝祭日です。

当日、教会では特別なミサが執り行われます。

 

フランスでは、翌日の月曜日は祝日になるうえに、学校は「パック」前後に2週間休暇になります。

古代から、卵は生命誕生と再生の象徴とされていました。

硬い殻を破りヒヨコが卵から誕生する様子はイエス・キリストの復活の奇跡と重ね合わされ、復活祭の卵はキリスト復活のシンボルとされています。

 

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 Patrick Roger これもチョコレートです

 

四旬節と呼ばれる復活祭前の40日間(日曜日を除いて数える)、敬虔な信者は、卵、肉、乳製品とアルコールを口にせず食事の節制を行いました。

しかしながら、卵を食べない期間中も鶏は毎日産み続けるため、たまった卵を無駄にしないために模様を描いて他人に贈るようになったといわれています。

やがて、18世紀になりドイツ人とアルザス地方の住人が卵をチョコレートで覆うようになりました。

19世紀になり、チョコレート製造技術の進歩と銅や鉄製の型を使用するようになり、思い通りにチョコレートの成型が可能になりました。

 

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 Patrick Roger

 

そして現在では、復活祭にはフランス中で卵をかたどったチョコレートが売られるようになったのです。

たまご同様に、多産で有名なウサギも豊穣や子孫繁栄の象徴と考えられ、復活祭が近づくと街中のチョコレート屋さんには鶏と卵だけでなくウサギ型のチョコレートも並んでいます。

家の中や庭にチョコレートの卵を隠しておき、子供たちが探して回る宝探しゲームは、復活祭の定番です。

 

元々は本物の卵に絵付けをして飾ったり、贈り物にしていたのが始まりですが、今ではすっかりチョコレート製の卵が優勢になりました。

 

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 Patrick Roger

 

この伝統的な復活祭のお祝いのために、チョコレート職人が時間と手間をかけて鶏や卵を製造した努力を水の泡にしないためとチョコレート産業への経済効果から、今回のロックダウンでは、チョコレート専門店は生活必需品の販売店リストの仲間入りを果たしたのです。

 

私はキリスト教徒ではありませんが、フランスの伝統に従って家族で食事をして復活祭を祝うために、夫からリクエストされたパトリック・ロジェのチョコレートを購入しました。

ビターチョコレートを食べて健康と美容に役立てましょう。

 

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