千代に八千代にパリジェンヌのように美しく

パリのエステシャンがあなたに伝えたい、年を重ねても美しいパリジェンヌのきれいの秘訣

パリのエステティシャンになるには? (1)

フランスでプロのエステティシャンになるには、フランス教育省から交付される国家資格C.A.P₁(職業適格証)を取得しなければなりません。

 

f:id:chiyomiparisbeauty:20190612082858j:plain

 ₁Certificat d’aptitude professionnelle Esthétique-Cosmétique-Conseil-Venteの略

 エステティック施術や化粧品のカウンセリング、販売職に就くための適格証

 

これはエステティック業界で働くための基礎になる資格なので、これを取得すれば、独立して開業することもできます。

 

フェイシャルケア、ワックス脱毛、メイキャップ、マニキュア、化粧品販売の技術と、皮膚科学や化粧品学等の理論に加えて、外国人はフランス語や数学、歴史等一般教養も1~2年でマスタ-しなければなりません。

 

この資格はフェイシャルケアに重点を置いていますが、サロンやスパでは圧倒的にボディケアの需要が高く、現場の需要に対応するために、各専門学校はオプションでボディケアのコースを設けてあります。就職のためにはボディケアの技術を習得していると断然有利です。

 

又、C.A.P取得後さらにあと2年間、学校と企業で交互に学びながら上級資格にチャレンジすることも可能です。

 

f:id:chiyomiparisbeauty:20190612083234j:plain

では、どこの専門学校で学べばいいのでしょうか? 

 

私がパリに留学した当時、今から20年前は、外国人にフランス人同様の正規の国家資格取得コースへの入学を認めてくれる学校はあまりありませんでした。

テクニックのみを学び、各学校の終了証書を取得するコースの入学を認めてもらえればいい方で、門前払いされたこともあります。

 

国家試験は技術のみならず理論の比重も高いため、国家試験合格率を競っている私立の専門学校としては、語学ハンディがあり、足手まといになる恐れのある外国人を加えたくないのも仕方なかったのかもしれません。

 

f:id:chiyomiparisbeauty:20190612084227j:plain

 

けれども今では、ヨーロッパ統合に伴うヨーロッパ諸国からの移民や、アジア諸国(日本や中国、韓国)からの留学生増大に伴い、専門学校の対応もずいぶん変わってきました。

留学生は、最初のうちこそ多少のハンディはあるものの、こつこつとまじめに勉強し、無事国家試験に合格できることがわかってもらえたからなのです。

今では、フランス語さえ理解できれば、どの学校も正規コースへの入学は可能です。

 

 

 

 

 

f:id:chiyomiparisbeauty:20190612083714j:plain

 

優秀なエステティシャンは優れた専門教育の賜物にほかありませんから、学校選びはくれぐれも慎重に行わなければなりません。まずはホームページでおおよその情報を調べてから、実際に訪ねてみることです。

教室や、授業風景を見学させてくれる機会もあります。

華やかなイベントで招待客にメイクやエステの施術をする経験ができる学校や、最近では老人ホームでのボランティアや女性癌患者へのエステケアの授業を取り入れている学校もあります。

入学には、各学校とも書類審査後、面接試験があります。学費は基本コース1年間でおおよそ6000ユーロ+1000ユーロの材料費がかかります。

 

 

エステティック専門学校リスト

 

École d’esthétique Catherine Sertin キャトリーヌ セルタン エステティック専門学校

パリで唯一、日本でもお馴染みのシデスコ国際資格の取得も可能な学校。同校の教育部長マダム ルトルーは2012年よりシデスコ フランス会長を務めておられます。

 

École Elysées Marbeuf エリゼ マルブフ専門学校

美容業界で名前を知らない人がいないくらい有名な学校。南仏カンヌ校もあります。

 

École Privée Internationale d’Esthétique et de Cosmétologie Françoise Morice

フランソワーズ モリス 国際エステティック、化粧品学専門学校

厳格な教育方針で有名。大阪に日本校があります。

 

L’Academie GUINOT-MARY COHR ギノ マリコール アカデミー

日本ではマリコールの名前で知られています。サロンブランドとして50年の歴史を誇る、エステティック業界を知り尽くした ギノ マリコール社によって2012年に開校。最新の設備を兼ね備えた学校で、豊かな経験を生かした実践教育が受けられます。

 

Institut Superieur JUVENTHERA ジュヴェンテラ高等学院

創立者の一人でもある現校長は、元エステティックサロン経営者であり、経営者が求める即戦力になるエステティシャン養成に力を注いでいます。

 

 

 

 

入学手続き

 

シャンゼリゼ大道りと交差するマルブフ通りにあるエリゼ・マルブフ専門学校に入学手続きに赴いた時の事は、20年近く経過した今でも鮮明に覚えています。

 

f:id:chiyomiparisbeauty:20190612083503j:plain

 

ChanelChristian Diorをはじめ世界中の高級ブランドがひしめくモンテーニュ通りを歩きながら、シャンゼリゼ劇場もプラザアテネホテルも通り越し、ヴァレンティノブティックの角を左に曲がるとエステティックの名門校エリゼ・マルブフの建物が見えて来ました。

 

 「入学した時点から生徒一人一人が皆、当校の看板を背負っているのですから、1953年創立以来、歴代の先輩たちが積み重ねてきた評判に傷をつけることのないように常にエレガントであるよう気をつけてください。

ジーパン、スニ-カ-での通学は禁止です。着替えに家まで帰っていただきますからね。手、爪は常に清潔さを保ち、髪もブロウしてくること、そして必ずお化粧してくること」

 

おそらく当時としては非常に珍しかったと思いますが、エリゼ・マルブフは、男性の入学も認めていました。

今思えば、伝統校でありながらもたいへん開けた校風だったのです。

私のクラスには、ホモセクシャルの男性が一人いましたが、実技の際にも誰も気に留める様子はなく、一緒に着替えをしていました。

ワックス脱毛の授業では、クラス皆のかっこうの練習モデルでした。

そればかりか、彼は美的センスが抜群でメイクの出来栄えは毎回クラスで1、2を争うほどでした。

 

f:id:chiyomiparisbeauty:20190612084558j:plain