京都のお土産の定番、小さな巾着袋に入った匂い袋、クローゼットの引き出しの中に入れていませんか?
衣類を身に着けると、移り香がほんのりと漂い、心地いいですよね。
フランスにも、サシェと呼ばれる同様のものがあります。
南フランスに旅行されたことがある方は、露天市で売られているラベンダーのサシェをお求めになられたことがあるかもしれませんね。
私もいくつか試してみましたが、天然のものはすぐに香りがなくなってしまいました。
また逆に、人工的なものは香りが強すぎて、クローゼットのみならず寝室いっぱいに香りが充満してしまい、結局使わなくなってしまったこともあります。
(パリのアパートは狭いので…)
その代わりに、好きな香りの石鹸をハンカチに包んで使用したり、石鹸の空き箱を代用しています。
ある時、マリウスファーブルのお店にオリーヴ石鹸を買いに行った帰りに、ぶらぶらとウインドウショッピングをしていて、偶然入った Kerzon ケルゾンのお店で素敵なサシェを見つけました。
両店舗とも、ヴォージュ広場近くの チュレンヌ通りにあります。
Kerzonは、ピエール・アレクシス と エティエンヌ 兄弟の、子供の頃家族そろって夏休みを過ごした思い出いっぱいの田舎の家の香りや、楽しい時を過ごした幸せな日々から連想されるような香りを現代にも伝えていきたいとの願いから生まれた 新進のフレグランスブランドです。
香水だけでなく、キャンドルや石鹸、洗濯洗剤や食器用洗剤等、日常生活で使用する製品をフランス国内で製造しています。
家族皆が共有できる爽やかな香りばかりです。
Kerzonのフレグランス サシェは、彼らのおばあちゃんが、一人一人の引き出しの中に忍ばせておいてくれたラべンダーの匂い袋からインスピレーションを得ています。
実は、私たち夫婦が毎年夏のバカンスを過ごすブリュタ-ニュの家にも、箪笥の中に、ストッキングを切って作った袋にラベンダーを詰めた匂い袋が残っています。
私は、初めてこの家を訪れた時から、
こんな古いもの、さっさと捨ててしまえばいいのに…と思っているのですが、
夫は 「これは、おばあちゃんが残してくれたものだから」
と、もうとっくの昔に香りはなくなっているにもかかわらず、相変わらず箪笥の中にぶら下げています。
ラベンダ-の匂い袋は、子供の頃の夏休みを思い出させるのでしょうね。
男性は女性よりもノスタルジックなのでしょうか?
Flâneries à Paris パリ散策 と名づけられたコレクションは、パリの街角で過ごすひと時を香りで表現しています。
私のお気に入りは、サンルイ島の香り。
セーヌ川沿いに立ち並ぶ石造りの瀟洒な邸宅を、春の陽射しが照らすさまが思い浮かぶような ベチバ-とパチョリの香り。
ミネラルでウッディなフレグランスです。
私は、ランジェリーの引き出しの中と、スーツケースの中に入れています。
毎朝着替えをする際に、ほのかな香りを感じ、気分よく一日を始めることができます。
又、年に数回しか使用しない大型のスーツケースは、1年のほとんどは地下の倉庫に保管しています。旅行直前に着替え等を詰める際に、不快な匂いがするのを防いでくれます。
旅行中もフレグランス サシェを入れたままにすれば、さらに香りが持続します。
リュクサンブール公園の香り
公園の池に浮かんだ小舟を見ながら、放課後の時間つぶしをした学生の頃の思い出。
春の日差しが暖かくなるころから咲き始めるライラックの香り。
公園内のミツバチの巣箱のそばを通り過ぎる時に思い浮かべた蜂蜜の甘い香り。
リュクサンブール公園の香りは、暖かい午後の陽だまりでおやつを頬張るひと時のような、そんなささやかな幸せの香りです。
私にとっての日常生活の中の小さな幸せ?
休日の朝、近所のパン屋さんに行って、運よく、焼き上がったばかりのアツアツのバゲットを買うことができ、店から出てすぐさまその先っぽをつまんでほおばった時!
バターもジャムもなにも付けなくても、とってもおいしいのですもの。
でも、パンが焼きあがるこうばしい香りはフレグランスにはできませんね。
一日中食欲をそそられてしまいますからね。
ヴォージュ広場の香り
パリ最古の広場の周辺には、16~17世紀にかけては王宮があり、貴族の館が立ち並んでいました。
アーチ型屋根の美しい回廊を持つ赤レンガ造りの建物で囲まれた広場は、今でも優雅な雰囲気に包まれています。
Kerzonで一番人気のある、このヴォージュ広場の香りは
かつて、周囲のお屋敷のバルコニーを飾っていたバラの花が目に浮かぶような、甘く気品にあふれる香りです。
サシェは、パリの街角の地図のイラストが描かれた袋に入っていますので、パリ土産にも好適です。
皆さんとても喜んでくださいますよ。